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デス・ストランディング

小島秀夫原作、野島一人著『デス・ストランディング 上下巻』(新潮文庫、2019年)はゲーム発の小説である。主人公サム・ポーター・ブリッジズは特殊能力を持っているが、他人との物理的接触を忌避する接触恐怖症である(上巻18頁)。握手も嫌がる。かつて主人公は能天気な前向きキャラが定番であったが、『エヴァンゲリオン』などから他人との関係作りが下手なタイプが増えている。その方が物語の奥行きが深まる。
主人公は一匹狼的であり、組織に束縛されることを嫌う。自分にとって有益な端末であっても、自分で外すことができなければ、「あいつらがどんな理屈をこねようと、人を束縛する鎖以外のなにものでもない」(上巻63頁)。現代日本では利益になるという名目で負担や我慢を強いる論理が横行しているが、その欺瞞を明らかにする。
以下の独白もある。「こちらの都合などおかまいなしだ。あいつらは、架け橋などと称しているが、つなげられる側のことなど何ひとつ考慮していない」(上巻64頁)。マンション投資の迷惑勧誘電話などに対して使いたい言葉である。

主人公は仕事を押し付けておきながら、さらに支障がないかと口を出す態度にも腹を立てる。「これこそが、人を守るといっておきながら人を束縛する態度だ」(上巻64頁)。表面的には支障がないかを気にする態度は気にかけているように見え、気にかけないよりもずっと良いと思われるかもしれない。しかし、そもそも気にかけるならば相手に負担を押し付けなければいい。気にかけているポーズをすることで、相手に負担を押し付けたことを相殺しようとする自己正当化に過ぎない。責任逃れの無能公務員の卑怯な手法である。
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テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

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